フォースネット株式会社の製品サイトです
Column

社員のAI利用を可視化する3つの方法——サービス管理画面・端末・経路の使い分け

導入・運用 #AI利用状況#可視化#情シス#導入

AI利用のルールを作っても、守られているかが見えなければ運用になりません。では「誰が、どのAIを、どれだけ使っているか」は、どうすれば見えるのでしょうか。手段は大きく3つに分かれます。それぞれの得意・不得意を知らずに選ぶと、「導入したのに知りたいことが見えない」という結果になりがちです。

方法1: AIサービスの管理画面で見る

ChatGPTをはじめ主要なAIサービスの法人向けプランには、管理者向けの利用状況画面が用意されています。メンバーごとの利用状況や設定を、サービス公式の機能として確認できます。

得意なこと: そのサービス内の利用を最も詳しく把握できます。学習不使用などの契約条件とセットになる点も大きな利点です。

不得意なこと: 見えるのは契約したそのサービスだけです。社員が別のAIサービスを使えば、管理画面には何も映りません。つまり「公認サービスの中を見る」手段であって、「公認の外で何が使われているか」というシャドーAIの問いには答えられません。また、サービスごとに管理画面が分かれるため、複数サービスを公認すると確認の手間が増えていきます。

方法2: 端末側で見る

会社支給PCに管理ソフト(MDMや資産管理ツール)を入れ、アプリの利用状況やアクセス先を端末側で記録する方法です。

得意なこと: 端末で起きることを幅広く把握できます。AI以外のシャドーIT対策と兼ねられる点も利点です。

不得意なこと: 端末にソフトを入れて回る導入・維持の手間がかかり、管理対象外の端末(私物など)は見えません。また「業務全般の監視」に近い運用になりやすく、AI利用の把握だけが目的の場合は、社員に与える監視感が割に合わないことがあります。既にMDM等を運用している会社が設定を足すのは合理的ですが、AIのためだけに新規導入するには重い選択肢です。

方法3: 経路(ネットワーク)で見る

会社のネットワークからAIサービスへ向かう通信を特定の出口(プロキシ等)に集め、経路側で記録する方法です。

得意なこと: サービスを問わず横断的に見えることです。公認サービスも、まだ公認していないサービスへの接続も、同じ場所に記録されます。「知らないAIが使われ始めた」ことに気づけるのは、実務ではこの方法だけです。端末に個別のソフトを配る必要がなく、AI宛の通信だけを対象にすれば、Web利用全体の監視にしないという線引きも明確にできます。

不得意なこと: 会社の経路を通らない利用——私物スマートフォンの回線など——は構造的に見えません。また、既定では「どのサービスに接続したか」という経路の事実が中心で、会話の中身まで見る(検知・マスキングする)には対応したサービスごとの追加の仕組みが必要になります。

3つの方法の比較

サービス管理画面端末管理経路
見える範囲契約サービス内のみ管理端末上の操作経路を通る全AI通信
未知のAIサービス見えない設定次第接続の事実が見える
導入の重さ契約変更のみ端末ごとに導入経路に1点追加
監視感低い高くなりがちAI限定にすれば低い
限界サービス単位で分断対象外端末は見えない経路外の利用は見えない

中小企業はどこから始めるか

情報システム担当が専任でいない規模の会社であれば、次の組み合わせが現実的です。

  1. 公認サービスは法人プランの管理画面で深く見る。 契約条件(学習不使用等)の確保と利用把握を同時に得られます。
  2. 全体は経路で広く見る。 公認外のサービスへの接続に気づける状態を作り、シャドーAIの早期発見と、公認サービス追加の判断材料にします。
  3. 端末管理は、既にある会社だけ活用する。 MDM運用中なら設定追加を。未導入なら、AIのためだけに始める必要はありません。

どの方法にも共通する前提として、可視化は取り締まりのためではなく、AI利用ルールを実態に合わせて育てるための土台です。「AI利用に限って記録する」「何を記録しているかを社員に開示する」という2点を守ると、可視化は監視ではなく、安心して使うためのインフラとして受け入れられます。

まとめ

  • 可視化の3系統は守備範囲が違う。1つですべては見えない
  • 「公認の中は管理画面、全体は経路、端末は既存資産があれば」が中小企業の現実解
  • 可視化の目的はルールを育てること。記録範囲の限定と開示が納得の条件

自社が把握したいのは「公認サービスの利用量」なのか、「公認外の利用の有無」なのか。これを先に決めると、選ぶべき手段は自然に絞れます。

社員のAI利用を、止めずに管理する仕組みを。

AI関所BOXは、ChatGPTなどのAI利用だけをオフィス内の関所へ通し、利用状況・会話・検知を管理するオンプレミス型AIガバナンスBOXです(現在PoC検証中)。導入・PoCのご相談、資料のご請求を受け付けています。